以上で説明してきたように、メイルサーバの構築および運用には 多大な責任がつきまといます。メイルサーバを構築するということは 郵便局を新たに自分で開設するようなものです。 ユーザの電子メイルに対する信頼はすべてメイルサーバにかかってくることになるからです。 メイルサーバの設定がいい加減だと、届いたはずのメイルが失われてしまったり、 ある人に届いたメイルが容易に他人に見られてしまうこともあります。
もちろん、メイルサーバの運用には、それを利用するユーザの 責任もあります。たとえばメイルボックスにアクセスするパスワードが 外部に漏れてしまえば、当然そのメイルボックスに対するセキュリティは なくなっていまいますし、ユーザがメイルサーバを悪用して SPAM などの迷惑メイルを出せば、そのメイルサーバを利用している ユーザ全体が被害をこうむることになります。よってシステム管理者は 電子メイルシステム全体の動きを把握し、どこまでが自分の管轄で、 どこからがユーザの責任であるかを明確に区別しておく必要があります。